米ディズニー・チャンネルで2006年に放送された「ハイスクール・ミュージカル」で主人公トロイを演じ、大ブレイクしたザック・エフロン。2007年に放送された「ハイスクール・ミュージカル2」、2008年に劇場公開された「ハイスクール・ミュージカル/ザ・ムービー」でもトロイ役を演じ、「歌って踊れて演技ができる」アイドルの座を不動のものにした。
しかし、実はザック、第1作目の「ハイスクール・ミュージカル」では歌を披露していなかった。「シンデレラストーリー2 ドリームダンサー」(08)などに出演していたドリュー・シーリーが歌声を担当しており、ザックの歌声が聞こえるのは「ハイスクール・ミュージカル2」と「ハイスクール・ミュージカル/ザ・ムービー」のみなのである。
ザックは2007年に公開された映画「ヘアスプレー」にも出演しており、その歌唱力は折り紙つき。では、なぜザックが「ハイスクール・ミュージカル」で歌わなかったのだろうか。米j-14.comが、その理由を探る特集記事を掲載した。
■色々な説について
ザックは2007年に米オーランド・センチネルのインタビューの中で「自分にとって、『ハイスクール・ミュージカル2』で歌うことはとても重要なことだったんだ。自分の歌声がトラックに入ることを断固として要求したんだ」と告白。
「最初の映画は、全てレコーディングをしたにもかかわらず、自分の声だけが外されていたんだ。なぜなのか、理由も教えてもらえなくて。本当に気まずい思いをさせられたよ。だって、そんなことされるなんて思ってもみなかったから」と憤りを感じたことを明かしつつ、「『ハイスクール・ミュージカル』が大ブレイクして、ドリューの名前がきちんとクレジットされ、僕も次は自分の歌声を使わせてもらえるようになって、そのことは本当に良かったと思っている。ドリューはとても才能のある俳優だしね。僕の場合は、ただ音程を外さずに歌えるだけだから」と謙遜した。
そんなザックの歌声が使われなかった理由だが、いくつかの説がある。
米ディズニー・チャンネルが、ザックより前にドリューと契約を結んでおり、ドリューの歌声を使うことが決定していたという説。ドリューは作中で歌われた「Get’cha Head In the Game」も共同作曲していることから、プロジェクトの初段階から制作に携わっていた可能性がある。
しかし、ザックはヒロインのガブリエラ役を演じたバネッサ・ハジェンズとオーディションでマッチングされたことで出会ったと明かしていることから、「ペアとしてオーディションをすること」は事前に決定していたと考えられる。また、バネッサの歌声と合うかどうかわからないドリューの歌声を一番最初に採用すると決定することはありえないだろう。よって、この説はないものとみられる。
他にも、ザックの歌声が強すぎて役に合わないと懸念され、すでにレコーディングを行っていたドリューの歌声とブレンドさせたのだという説がある。だが、それならザックに断りがあっても良いのではないか。ザックは自分の歌声が外されることを全く知らされていなかったことから、この説も違うとみられている。
■ザックは歌わなかったことについて落胆している?
2007年の米音楽誌ローリング・ストーンのインタビューで、ザックは「最初のサントラは僕の歌声じゃないからね。映画の歌声も僕のじゃない。僕は使って欲しかったんだけど」と告白。「ビルボード・アワードでキャストのみんなで賞を受け取りに行かなきゃならない時とか、本当に気まずかったよね。僕が受け取るべきじゃないって」と、ドリューに気遣う一面も見せており、がっかりだけれど、ドリューの歌声が良かったのだからと自分を説得させているものと思われる。
■ザックは「ハイスクール・ミュージカル」ツアーに参加していた?
「ハイスクール・ミュージカル」が大ヒットしたことで、キャスト全員により行われたツアーは大好評だった。しかし、このツアーにザックは参加しなかった。
「ヘアスプレー」の撮影が行われていたので、参加でできなかったと説明されていたが、ザックはローリング・ストーンのインタビューで「もし、『ハイスクール・ミュージカル』の曲をちょっとでも聞いたら、突発的に高いところから飛び降りてしまうんじゃないかっていう精神状態だったんだ」と複雑な胸の内を明かしており、映画の撮影が入っていなくても参加しなかったものと見られている。
ちなみにツアーではドリューがトロイ役を演じ、高い評価を得ていた。